工場のフォークリフト走行床や車庫の床、塗装で強度は大丈夫?セルフチェックと施工事例で解説

「工場の床にフォークリフトが頻繁に出入りするけれど、塗装をしても大丈夫なのか」「車のタイヤが乗る車庫の床は、塗るとすぐに剥がれてしまうのでは」
——こうしたご相談をいただくことがあります。
結論からお伝えすると、床の状態や使い方に合った防塵塗料と膜厚を選べば、フォークリフトや車両が走行する床でも塗装で対応できます。
実際にセイルズでは、フォークリフトの走行を前提とした倉庫・工場の床で、塗料を使い分けながら防塵塗装を行ってきました。
この記事では、施工前のセルフチェック、セイルズの施工実績、使用している塗料の特徴を順にご紹介します。
この記事のポイント
走行する床の塗装は、「膜厚(厚膜か薄膜か)」「塗料の種類(溶剤系か水性系か)」「下地処理」の3点で強度が決まる
セイルズでは、東日本塗料で最も強靭な塗膜を持つ超厚膜塗料「フローンクリート」や「フローンフルトップ」のほか、薄膜の「フローンヌルサット」「AUコート」を現場の条件に応じて使い分けている
床下の湿気などによって既存の塗膜が脆弱化している場合でも、強靭な厚膜防塵塗料と適切な下地補修で美観と強度の再生が可能
ひび割れなど下地の状態によって必要な補修が変わるため、施工前のセルフチェックが失敗しない塗装の第一歩になる
なぜ「塗装で強度は大丈夫か」と不安になるのか
塗装というと「表面に薄い膜をつくるだけ」というイメージが強く、フォークリフトや車両のような重量物の走行に耐えられるのか不安に感じる方は少なくありません。
実際には、床に使う防塵塗料は外壁用の塗料とは異なり、耐摩耗性を高めた専用の塗料が使われます。
さらに、塗る厚みや下地の処理によって耐久性が大きく変わるため、使い方に合わせた塗料の選定が欠かせません。
【セルフチェック】今の床は塗装に向いている?
塗装を検討する前に、次の項目を確認しておくと、必要な塗料や下地処理の見当がつきます。
フォークリフトや台車の走行頻度と、運ぶものの重さはどのくらいか
床の素材は、コンクリート・モルタルか、アスファルトか
床にひび割れ(クラック)が入っていないか
表面から白い粉が出る、ザラザラして砂が浮いている箇所がないか
床下の湿気などで既存の塗膜が浮いている・脆くなっている箇所がないか
油やグリースが染み込んで黒ずんでいる箇所がないか
すでに塗装がされている床か、塗装されていないむき出しの床か
工事のために床を使えない期間を、どのくらい確保できるか
食品を扱う、事務所が近いなど、施工時のニオイに配慮が必要か
これらの項目は、塗料選びと下地処理の内容に直結します。
たとえば、走行頻度が高く荷重も大きい床や塗膜が傷んでいる床には強靭な厚膜塗料、稼働を長く止められない現場やニオイに配慮したい現場には水性の塗料、といったように選択肢が変わります。
ひび割れや塗膜の浮きがある場合は、塗装の前の下地補修が極めて重要です。
塗装の強度を左右する3つのポイント
① 膜厚(厚膜か薄膜か)
塗膜が厚いほど、タイヤや車輪による摩耗や重量衝撃に対して余裕が生まれます。
非常に強靭な「フローンクリート」や「フローンフルトップ」といった厚膜タイプの防塵塗料は、フォークリフトなどの重車両が頻繁に走行しても耐えうる高い耐久性を発揮します。
一方、薄膜の塗料は、現場の条件によっては工期を短くしやすいという特徴があります。
② 塗料の種類(溶剤系・水性系・水溶性・水性反応硬化型など)

水性の塗料は臭気が少なく、食品を扱う工場など、ニオイへの配慮が必要な現場で選ばれています。
溶剤系や特殊樹脂の塗料には、耐薬品性や耐油性、水・湿気への耐性に優れたものがあり、薬品や油・水分を扱う現場に向いています。
どちらが適しているかは、使い方と現場の環境によって決まります。
③ 下地処理(清掃・補修・プライマー)

どれだけ強い塗料を使っても、下地が整っていなければ剥がれの原因になります。
特に床下の湿気によって既存の塗膜が脆弱化・剥離しているような場所では、傷んだ塗膜をしっかり削り落とし(ケレン・研磨)、強靭な下地補修材やプライマーで密着を高める
——この下地処理の丁寧さが、仕上がりと塗膜の持ちを大きく左右します。
セイルズの施工実績:フォークリフトが走る床の防塵塗装
セイルズが実際に手がけた、フォークリフトや車両の走行を前提とした床の施工事例をご紹介します。
事例① 埼玉県八潮市の倉庫|厚膜の防塵塗床(フローンフルトップ)
フォークリフトが走行する予定の倉庫の床に、標準仕様で膜厚3.5mmの厚膜塗料「フローンフルトップ」を使用した事例です。
通常の塗料ではすぐに剥がれてしまうおそれがあるため、耐久性の高い厚膜塗料を選定しました。主な工程は次のとおりです。
ポリッシャーによる洗浄と、表面のケレン(不要な付着物の除去)
掃除機による粉塵の清掃
壁際の立ち上がり部に、プライマーと「AUコート」を塗装
床面にプライマーを塗布し、続けて珪砂を混ぜた下地調整用のプライマーを塗布。12時間以上乾燥させる
「フローンフルトップ」を、金鏝(かなごて)でならしながら塗布し、膜厚を確保する
事例② 埼玉県川口市の新築倉庫|水性の防塵塗装(フローンヌルサット)
新築のコンクリート床は見た目がきれいでも、摩耗すると粉塵が発生します。
この倉庫ではフォークリフトや台車の走行が予想されたため、臭気が少なく、耐摩耗性の高い水性塗料「フローンヌルサット」を採用しました。
粉塵の清掃、プライマーの塗布(乾燥後は透明)のあと、仕上げ塗料を2回塗り、施工期間は2日間でした。
事例③ 東京都練馬区の倉庫|ひび割れのある床を補修して塗装(AUコート)
フォークリフトを使用する倉庫で、床にかなりのクラックがあり、そのまま塗ると塗膜が割れるリスクが高い状態でした。
そこで、カチオンモルタルでクラックを補修し、浸透性の高いプライマーを塗布。扇風機で換気・乾燥を促したうえで、「AUコート」を2回塗装しました(2018年12月の施工)。
事例④ 茨城県坂東市の食品工場|夜間施工・水性の防塵塗料
フォークリフトが頻繁に走行する食品工場の床です。
環境への配慮が必要なため、臭気が少なく、乾燥が早い水性の2液硬化型防塵塗料を選び、夜間に工事を行いました。
養生期間は1日で使用を再開できました。
洗浄ができない現場だったため、ケレン清掃と粉塵清掃のあとにプライマーを塗り、仕上げ塗料を2回塗装しています。
水性でも十分な耐久性があり、フォークリフトの走行にも問題がありませんでした(2018年12月の施工)。
事例⑤ 東京都足立区の駐車場|車の走行に耐える防塵塗装(AUコート)
車のタイヤの摩擦に耐える耐久性が求められる駐車場の床に、「AUコート」を使用した事例です。
新規のモルタル床のため、ケレンで表面の突起や汚れを取り除いたあと、プライマーを2回塗布し、仕上げ塗装を2回行いました。
セイルズが使用している防塵塗料の特徴
セイルズが現場の条件に応じて使い分けている防塵塗料(いずれも東日本塗料株式会社の製品)の特徴をご紹介します。
フローンクリート(水性・超厚膜タイプ)
東日本塗料の中でトップクラスの強度・耐久性を誇る超厚膜防塵塗料
耐熱性・耐薬品性・耐油性・耐衝撃性に極めて優れ、過酷な使用条件にも耐える強靭な塗膜を形成
床下の湿気などの影響で既存の塗膜が脆弱化・傷んでしまった箇所の補修・再塗装にも適しており、下地を強力に保護・補強
水性・無溶剤系のため施工時の臭気が非常に少ない フォークリフトが超頻繁に行き交う工場・倉庫や、激しい重量衝撃・湿気・水がかかる現場、既存塗膜が傷んで強力に塗り直したい床に最適です。
フローンフルトップ(厚膜・溶剤系)
硬質ウレタン樹脂の厚膜塗料。セイルズでは標準仕様で膜厚3.5mmで施工
網目構造の強靭な塗膜で、耐衝撃性・耐擦り傷性・耐摩耗性に優れる
耐溶剤・耐酸・耐アルカリ・耐油性があり、メーカーによればエポキシ系・MMA系より耐熱性にも優れる
施工時・施工後の臭気が少ない 走行頻度が高く荷重も大きい倉庫や、厨房・食品工場・自動車修理工場・化学工場などの床に向いています。
フローンヌルサット(薄膜・水性)
ウレタン樹脂の水性塗料で、臭気が少ない
速乾性があり、メーカー公表値では、気温23℃で施工後8時間でフォークリフトの走行が可能
傷や汚れが付きにくく、既存塗膜の塗り替えにも使える
艶有・艶消から選べる 稼働を長く止められない工場や、ニオイへの配慮が必要な現場、倉庫・廊下・階段などに向いています。なお、アスファルトコンクリート面には対応していません。
AUコート(薄膜・溶剤系)
耐候性に優れたアクリルウレタン樹脂の塗料
耐酸・耐アルカリ・耐水・耐塩水性に優れる
緻密な塗膜で、密着性と耐摩耗性があり、防塵効果もある 工場・倉庫・駐車場など負荷の大きい床や、廊下・階段、プールサイドなどに使用できます。セイルズでは、壁際の立ち上がり部分にも使用しています。
塗料選びの目安
最も高い強度や耐熱性・耐薬品性が必要な現場、または床下の湿気等で脆弱化した塗膜を強力に補修・塗り替えたい場合 → 超厚膜の「フローンクリート」
走行頻度が高く、荷重が大きい床 → 厚膜の「フローンフルトップ」
稼働を長く止められない、ニオイに配慮したい現場 → 水性の「フローンヌルサット」
耐酸・耐アルカリ・耐塩水性が求められる場所や、駐車場・倉庫など負荷の大きい床 → 「AUコート」
これはあくまで目安です。実際の塗料は、荷重・走行頻度・下地の状態・工事に使える期間などを現地で確認したうえで決めます。
塗装工事を依頼する際に確認したいポイント
下地の状態(ひび割れ・油染み・床下の湿気による塗膜の脆弱化や剥がれの有無)を現地で診断したうえで、最適な補修内容を提案してくれるか
フォークリフトや車両の重量・走行頻度、使用環境に応じて、塗料(フローンクリートなどの超厚膜含む)と膜厚を使い分けて提案してくれるか
稼働を止められる時間が限られる場合、夜間施工や養生期間の短い塗料など、スケジュールに配慮してくれるか
フォークリフトが走行する床の施工実績を、事例で確認できるか
まとめ
フォークリフトや車両が走行する床でも、膜厚・塗料の種類・下地処理を現場の条件に合わせて選べば、塗装で対応できます。
傷みや湿気で弱くなった下地であっても、強靭な「フローンクリート」をはじめとする最適な防塵塗料と下地補修を組み合わせることで、新築以上のアプローチが可能です。
重要なのは、「塗れるかどうか」ではなく、「その床の使い方や下地状態に合った塗料と下準備を選べるかどうか」です。
足立区鹿浜の株式会社セイルズは、創業35年・100%直接施工で、倉庫・工場・駐車場など幅広い床の防塵塗装に対応しています。
「今の床にどの塗料が合うのか知りたい」「湿気でボロボロになった塗膜を塗り直したい」という方は、まずは現地調査だけでもお気軽にご相談ください。
その他施工(倉庫・工場の塗装工事):https://www.sails.tokyo/menu-ourwork/menu-others
よくある質問
Q. 塗装した床にフォークリフトを走らせても大丈夫ですか?
A. 床の条件に合った塗料と膜厚を選べば、走行は可能です。セイルズでも、フォークリフトが走行する倉庫・工場で施工してきました。走行頻度や荷重によって、厚膜・薄膜のどちらが適しているかが変わるため、現地で確認したうえでご提案します。
Q. 厚膜塗料と薄膜塗料の違いは何ですか?
A. 塗膜の厚みの違いです。「フローンクリート」や「フローンフルトップ(標準膜厚3.5mm)」のような厚膜タイプは、摩耗や重量衝撃に対する耐久性が非常に高く余裕があります。薄膜の塗料は、現場の条件によっては工期を短くしやすいという特徴があります。使い方や工事に使える期間に合わせて使い分けます。
Q. 床下の湿気で前の塗膜がボロボロなのですが、塗り直しはできますか?
A. 施工可能です。脆弱化した既存塗膜を研磨・ケレン等でしっかりと除去し、強靭な塗膜を形成する「フローンクリート」などの厚膜防塵塗料を用いて補修・塗装を行うことで、耐久性に優れた床へと再生できます。
Q. 施工後、いつから床を使えますか?
A. 塗料や気温、工程によって異なります。たとえば「フローンヌルサット」は、メーカー公表値で気温23℃・施工後8時間でフォークリフトの走行が可能です。食品工場で夜間に施工し、養生期間1日で使用を再開できた事例もあります。稼働に合わせた施工計画をご相談ください。
Q. ひび割れのある床でも塗装できますか?
A. ひび割れを補修したうえで施工できます。練馬区の倉庫では、かなりのクラックがあったため、カチオンモルタルで補修してから塗装しました。
Q. アスファルトの床にも塗装できますか?
A. 塗料によって対応できる下地が異なります。たとえば「フローンヌルサット」は、メーカーの仕様上、アスファルトコンクリート面には対応していません。下地の種類を現地で確認したうえで、適した塗料をご提案します。






